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7月13日金曜日。ICIF本部は、早朝からいつにない緊張感に包まれていた。それもそのはず、今日は日本人学生19人の「卒業」試験の日。ICIFでの前半60日のカリキュラムを修了した学生たちが、スタッフや村のVIP、他国の学生らを招いて、ランチのフルコースをふるまうのだ。前日に入念な打ち合わせと下準備を済ませてはいるものの、お客様は総勢50人近く。今期、彼らを指導した講師のシェフ、セルジョが決めた試験メニューは、次のとおり。 |
![]() 子牛の塩づけ(ピエモンテの代表的な1品) 野菜入りの小さなラザニア ハタ(魚)のソテー、タマネギ添え 桃とアマレット(クッキーの一種)、シャーベット添え これらに、パンとおつまみ、食前酒、ワインとカフェ、小さなお菓子(クッキーのようなもの)がつく。学生たちは、班に分かれて1品ずつ担当する。もちろん、テーブルでのサービスも、順に受け持つことになっている。ただし、ワインの選定とサービスだけは、講師のソムリエ、ジャンカルロが行う。 客人は、あらかじめ手渡されている採点表で、ひと皿毎に「最高」から「最低」まで5段階の評価を下す。実は、採点結果がわかるのは、学生たちがイタリア各地へ修業に旅立った後となるのだが、彼らにとって真剣勝負であることに間違いはない。 いざ、本番。一品一品、味の完成度は高く、盛り付けの美しさにも目を見張る。また、幾分たどたどしい面はあったものの、サービス面も上々で、素晴らしいランチであった。気になるのは、地元の人たちの感想だが、生っ粋のアスティ人で、つい先日リタイアしたばかりというルイジさんは、「素晴らしかった!」と賞賛を惜しまない。「卒業試験に来るのは、今回で2度め。前はブラジル人の学生さんたちだった。彼らの料理も旨かったけれど、日本人の料理は、味だけでなく見た目もすごくいいね! この村にICIFが出来たのは、喜ばしいことだ。女生徒さんがもう少したくさん来てくれたら、もう言うことはないよ!(とウインク)」 |
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| コスティリオーレ・ダスティの前村長ポッリーノ・インノチェンツォさんも、「今日の料理は上出来でした。特にラザニアとデザートの盛り付けには、びっくりさせられました」と、やはり日本人学生の繊細なプレゼンテーションに舌を巻く。ICIFの存在に関しても「この村の活性化に、とても良い役割を果たして下さっていると思います。年間3〜4百人の学生さんたちが、短期間とはいえ、ここで生活するわけですから。商店やバールでお金を落としてくれる、といった金銭的なことだけではありません。村の若者たちにとっても、他国の若者たちが目標に向って邁進する姿を身近に見ることは、良い刺激となっているはずです」 |
インノチェンツォさんは確信を持ってこう言った。「ICIFで学んだ方々には、是非、母国に、純粋なイタリアの味を紹介していっていただきたいですね。そして、いつかまたコスティリオーレに戻ってきてください。日本の方は、イタリアというと、ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアしか頭に浮かばないようですが、小さくとも、この村のようにすばらしい場所が、ほかにもたくさんあるのです」こうして、上々の評判のうちに、卒業試験は終了。ひとりひとり、前期終了の証書を手渡される、感動の授与式が行われた。 |
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