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日本でカッチャトーラというと、きのこ類やにんにくと鶏肉をトマトで煮込んだ「鶏肉のカッチャトーラ」が知られていますが、ローマには、トマトがイタリアに持ち込まれる以前の古代ローマ時代から、トマトもきのこも使わない、ガルム、ローズマリー、にんにく、ワインビネガーで作る料理法が伝えられてきました。「ガルム」とは、魚醤(ぎょしょう)のような調味料で、今では代わりにアンチョビーが用いられているとのこと。この伝統的なカッチャトーラは、本来は、脂身がなくて柔らかいアバッキオ(abbacchio)という、草を食べる前の乳飲みの仔羊で作られ、他には普通の仔羊やうさぎなども使われます。
4月の復活祭の頃は、アバッキオのカッチャーラとともに祝うことが多いそうですが、この時期に限らず、ローマではたくさんの羊が食されています。バチカンが近いために宗教的に影響を受けていることと、近郊でたくさんの羊が飼育されているのが、その理由と言われています。 |
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| 「ワインビネガーのほどよい酸味とコクのある仔羊のカッチャトーラには、濃厚な赤ワインがおすすめです」(吉川さん談) |
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「伝統的なローマ料理を日本にいながらにして堪能することができるのは、ここ!」と1977年のオープン当時からリストランテ業界のみならず、在日イタリア人からも太鼓判を押されているのが、オステリア カピトリーノ。ローマの下町であるトラステヴェレ地区の近隣に屠殺場があったため、ローマでよく食されるようになった内臓料理をはじめ、肉料理を中心に、オーナーシェフの吉川敏明さんが1965年から4年間、ホテルヒルトンやリストランテにて修行し、生活を営む中で出会ったローマ料理がそのまま再現されています。
「思いも寄らないほどのおいしさ!」とリピーターを生むこととなったのが、こちらの伝統的な仔羊のカッチャトーラ。こんがりとした焦げ目のついた仔羊は、臭みがまったくないだけではなく、実に柔らか。ローズマリー、にんにくの香りが芳しく、ワインビネガーの酸味がほどよいさっぱりとした味です。「適宜加えた白ワインがワインビネガーのやや強い酸味を抑えるので、ちょうどよい味わいに仕上がっているはずです」と吉川さん。添えられたベイクドポテトと一緒に食べても◎で、ソースまでも無駄にしたくないおいしさ。これまでの「羊料理」をくつがえす味わいです。
「ローマで学んだすべての料理が、僕にとっての初めての料理体験。食材の名前から調理方法、レシピ名など、すべてイタリア語で覚えました。厨房では伊→日の翻訳をする暇もないほど、指示に即座に反応して作らなくてはならなかったのが、イタリア語や料理を覚えるには、最適な環境だったのかもしれませんね」と話す吉川さん。お店を持ちはじめた当初は、イタリアではふつうにあった食材の入手が難しく、苦労したこともあったとか。しかし、自らがローマ料理を食べたいがため、そして、ローマ料理のおいしさを伝えたいがために、ローマ料理を作り続けてきたとのこと。
本当においしいものは必ず通じ、拡がっていくもので、「羊が食べられなかったのにカッチャトーラを口にしてやみつきに」「こちらでは必ずトリッパ!」とローマ料理を楽しむ日本人のお客さまが徐々に増加。約40年前に初めてイタリアの土を踏んで以来、今でも年に数回ローマに足を運ぶという吉川さんは、「最近、現地では残念ながら伝統的なローマ料理が食べられるトラットリアが減ってきているようです。また、忙しいからか、あるいは、核家族化の浸透からか、前菜、プリモピアット(一皿目の料理)、セコンドピアット(ニ皿目の料理)であるメイン、そして最後にデザートとコース料理を食べる機会が、現地の人々の間でも少なくなってきたと聞いています。とはいえ、ローマの下町にはおいしいトラットリアやオステリアがまだ残っているので、おっコレは!と思う味を探しながら食べるのが、これまた楽しいひととき」と話します。
渡伊直後、大きな紙幣しか持っておらず、言葉もままならなかった吉川さん。「近所に住んでいるんだね。小銭がなかったらお代は後でいいよ」。文房具を買おうとしたとき、店先でこんな風に声をかけられたそうです。そんな人情味溢れるエピソードなどをも彷佛とさせる仔羊のカッチャトーラには、シェフが学んだローマ料理のあらゆるエッセンスや、ローマ人の心が凝縮されています。
※参考文献:「イタリア料理教本下」吉川敏明、2000年、柴田書店 |
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| オーナーシェフの吉川敏明さん(左)とカメリエーレの新實正さん(右)。「ローマのホテルで修行をしていたとき、ホテルのサッカーチームに所属していました。どのホテルにもチームがあって、年に数回、ホテル対抗リーグ戦があるんですよ。僕はゴールキーパーでしたが、ホテルヒルトンに引き抜かれたのは、当時ゴールキーパーがいなかったからじゃないかな。もちろん、セリエA好き。贔屓はローマです」(吉川さん談) |
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| 前菜の数々。肉料理がメインなので、前菜は魚介類や野菜をふんだんに盛り込んだものが多いそう。 |
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「オステリア カピトリーノ」
住所:
東京都港区西麻布1-11-13 ひろしまビル1F
tel:03-3479-5696
fax:03-3479-5696
営業時間:
DINNER:18:00〜21:30(L.O.)
土曜日は18:00〜21:00(L.O.)
定休日:日曜日
※西麻布交差点近く。 |
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