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真夏の日中は、なんと48度にも気温が上がり、車のボンネットの上で目玉焼きが焼けるほどの暑さに見舞われるシチリア。この島では、暑さをしのぐための工夫として、料理に酢を加え、爽やかな口当たりに仕上げます。また、地元では赤ワインはほとんど飲まれず、もっぱら白ワインを飲んで涼しさを呼ぶとか。
そんなシチリア料理の主役といえば、やはり魚介類。海に囲まれた地域ならではの特色です。地域により生息する魚の種類が異なり、シチリアの東に位置するパレルモでは主にカジキ、西のカターニャやメッシーナではマグロが食されているそうです。 |
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| 「両端がくるりと丸まった細長い形が特徴のマカロニ、シチリア産スパッカレッラ。また、普通“ケッパー”は油漬けですが、このソースに使っているのはシチリア産塩漬けのもの。上にかかっているのは、オリーブオイルできつね色になるまで炒めたパン粉。パルメサンチーズ代わりです」(重シェフ談) |
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日本では数少ないシチリア料理専門店として、口コミで話題になっているのが「MUNIRO(ムニロ)」。「シチリアひとすじ、おいしいものは一つだけ」という意味から漢字では「無ニ路」と表記されます。偶然にも取材の日にいらっしゃった西麻布の「リストランテ寺内」の寺内シェフ曰く「とにかく食べ応えがあって好きです。何か外で食べたくなると、ついこちらに足を運んでしまいます」。
こちらの重康彦シェフが、はじめてシチリアに訪れたのは今から10年ほど前のこと。そのときに最も印象的だったのが「マグロのステーキ」。わらじのように大きく厚みもあるマグロのステーキに、細長く切った赤ピーマン入りのソースが、マグロが浸かるほどたっぷりとかかったものでした。当時、日本ではあまり知られていなかったシチリア料理に出会い、「これだ!」と衝撃を受けた重シェフは、シチリアで修行をしようと決心。シチリアの第2の都市であるシラクーサを拠点に、3年ほどミシュランリストランテやホテルのリストランテで経験を積みました。
トマトをベースにした「マグロと赤ピーマンのソース」には、マグロの他、赤ピーマン、たまねぎ、オリーブ、塩漬けのケッパー、唐辛子などが入っています。甘味と辛味、そして酸味がほどよく混じり合った味わい豊かなソースが、シチリアならではの歯ごたえのあるマカロニのスパッカレッラにからみ、すばらしい味わいです。このソースは、セモリナ粉を原料にしてオリーブオイルで揚げたパンにつけても◎。
「シラクーサでは、朝、仕事をして、午後は1時過ぎには帰宅してご飯を食べてシエスタといった、いまだにのんびりとした暮らしが営まれています。小学生くらいの子供が、小指の爪ほどの貴重で新鮮なウニを紙コップいっぱいに詰めてリストランテに持ってきたり(紙コップ1杯約5000円だとか!)、漁師でない一般の人が釣った魚を売りにくるなど、まるで、イタリア映画のワンシーンのような風景が目の前で繰り広げられました」と重シェフ。
修行した最初の数カ月は言葉も通じず、「なんで来たんだ!」と言われるなど苦労が絶えなかったそうですが、日に日に“ファミリー”の一員として、シェフ仲間に受け入れられていったそう。重シェフがシチリア島で体験したすべて、そして、シチリアへの愛情が、「たった一つしかない、天下一品のシチリア料理」を生み出しているのです。 |
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| 「シチリアでマグロを使った料理と同じくらい心に残っているのが、ゆでたてのパスタをシチリアの塩と羊飼いが作ったリコッタチーズで和えたパスタ。まかないとしていただいたのですが、本当においしかったです。シチリアの塩ってそれだけで十分にうまい。手作りのリコッタチーズも最高でしたね。今でこそ日本でシチリアの塩が売られていますが、当時はなかなか手に入らなかったので、帰国するときにリュックいっぱいにシチリアの塩を持ってきたことを覚えています。うちでは北海道産のリコッタチーズに、小海老を加えて定番にしています」(重シェフ談) |
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| セモリナ粉を原料にして焼き、オリーブオイルで揚げたパン(上)と、シェフにおまかせ前菜の盛り合わせ ムニロ風(下)。手前右から時計まわりに、ペペロナータ(赤、黄ピーマンのマリネ)、ウイキョウの種入り自家製ソーセージ、パルミジャーナ(なすとトマトの重ね焼き)、シチリア料理として有名なカポナータ。なす、ピーマン、オリーブ、松の実、レーズンなどを煮込んだもので野菜の甘味がうまさの決め手。「その日によって変更することもあるので、料理内容についてはご確認ください」(重シェフ談) |
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