「シニョーラ、6月23日に行きますよ!」・・・・・・ついにペッピーノ氏が私に言った。もちろん学科試験の日程だ。が、6月22日は私の誕生日。「先生、誕生日は落ち着いて過ごしたいから21日になりません?
22日でもいいです!そうすれば夜は外出できるし・・・・・・」と言っても、「ダメ、もう23日で手配したんだから!」と変更を許してはくれなかった。「翌日が試験でもなんでも誕生日は祝えるぞ!」そんな厳しいことを言うペッピーノ氏もなんと6月22日生まれ。「教習所で最後の授業を受けて誕生日を祝おう!」ということになってしまった。
イタリアでも40歳は区切りの年齢なので盛大に祝おうと思っていたのに、翌日試験では何も出来ない。レストランでのディナーも諦めて、悶々としたまま誕生日を過ごしてしまった。どんなことを聞かれても即答できる状態にまで成長していた私だが、それでも夜は緊張してなかなか寝付けず、睡眠時間4時間のまま教習所に駆け込み、ペッピーノ氏と一緒にナポリ市内の試験会場に向かった。
 |
 |
| 学科試験を受けるイタリア人と外国人たちでごったがえす試験会場 |
 |
到着順に試験は行われるようだったが、その日は試験官の準備がなかなか整わず、1時間以上待つことになった。私が着いた時は先に1人しかいなかったけれど、待っている間に次々と外国人たちがやってきた。ナポリにも独自のコミュニティーを作っている中国人が半数近くを占めていたが、他にはポーランド、ウクライナ、スリランカ、シンガポールなどなど、思ったよりも国籍の幅があった。
退屈な待ち時間の間に他の人たちを観察していたのだが、自分の教習所の生徒なのに名前を覚えていない教官や、ちゃちゃちゃと要点だけを教えている人も多く、中にはテキストを広げてその場で授業を始める教官までいた。生徒たちの様子はというと、たとたどしく、ちゃんと答えられない・・・・・・。『な、なんなの?この人たちのレベルって何?私が教習所に通い出した頃のレベルじゃない?それなのに、彼らはもう試験を受けるって言うの??』と驚きを隠せなかった。
 |
 |
| 教習車はFIATのNew Panda。これに乗れるのもすぐ!? |
 |
そうこうしている内に、他の教官たちと動き回っていたペッピーノ氏が私を呼び、いよいよ試験を行う教室に入ることになった。教室は30畳くらいの広さだが、そこに横長のテーブルが2つ。1人の試験官に向き合って受験者2人が座り、同じ教室で4人の試験が同時に行われるのだが、もう1人の試験官はまだ用意が出来ていなかったようで、私と中年のシニョーラの2人だけだった。試験はなかなか始まらない・・・・・・。試験官達はおしゃべりに忙しいからだ。いったい、いつ始まるの?? (次回へつづく)
|
 |
| |
|
|
 |
 |
 |
 |
アキ・ダモーレ
主婦・グラフィックデザイナー
東京出身。1991年よりイタリア在住。ナポリをこよなく愛し、人口4万のナポリ郊外の町に、ナポレターノの夫とハーフの息子と共に暮らす。イタリア生活紹介サイト「io」はほぼ毎日更新!
|
|
|