5月27日、努力家のポーランド女性は学科の口頭試験に見事合格!すでに実技のレッスンを開始している。運転の経験は何度もあるということなので、彼女が免許を手にする日は近いだろう。ポーランドへの里帰りはいつも大型バスを利用しているという彼女、「これからは自分で運転して帰れるのね!子供が2人になるから助かるわ!!」と喜んでいた。初心者なのに15時間以上かかる長距離ドライブにも挑もうとは!しかも子連れで……。免許を取っても市場やショッピングセンターを回る程度…と思っている私とは、その勢いに雲泥の差がある。
さて、劣等生の私はといえば、いまだペッピーノ氏からゴーサインをもらえず、相変わらず学科の授業を受けている。優秀なポーランド女性がこの前ようやく試験に行けたのだから、私がまだなのは当然と言えば当然なのだが、最初は面白いと思っていた勉強も最近は飽きてしまい、「あーかったるいなー」と思いながら通っている有様だ。こんなことじゃ、ペッピーノ氏は一生ゴーサインを出してくれないかもしれない?!と、ダラけ気味になってしまったところ、ドキリとくる話を聞いた。それは私のお友達のお母さんの教習所体験談だ。
アントニエッタさんは2人目の子供を妊娠中、教習所へ通いを始めた。ご主人に頼るだけでなく、自分でも子供たちを車で遊びに連れていきたかったからと。学科を真面目に勉強し、クイズもすんなりと合格!でも悲劇は初めての実技レッスン中に起こってしまった。
運転を覚えてから教習所通いを始める人が多い中、アントニエッタさんはそれまで1度も運転をしたことはなかった。誰でもしていることだし、自分もできるだろうと思っていたのである。そして第1回目の実技。教官に挨拶し、車に乗り込み、車内の各部分の説明を聞いて、「さぁエンジンをかけてみましょう!」と言われた時、アントニエッタさんはそこで固まってしまった。一気に恐怖心がわき上がってきたのである。
「なんであんなことになってしまったのか、自分でも覚えてないけど、実際に自分が車を動かす時になってみて、初めて恐くなったのよ。妊娠していたから、恐怖心も大きくなっちゃったのかもしれないけど、エンジンをかけてと言われてもハンドルを固く握りしめたまま、何もできなかったの。その内ガタガタと体が震えてくるしね。教官に『シニョーラ!一体どうするんですか?!』と聞かれたけど、『わたし、コワイ!!』って叫んで逃げ出しちゃったのよ」
それから教官が何度か説得を試みたとのことだが、アントニエッタさんが運転席に座ることはもう2度となかった。せっかくの学科勉強もこれでパーに。たった1回、それもほんの数分の実技レッスンで免許を完全に諦めてしまったのだ。「だって、あの時、私には運転は無理だって分かったんだもの。今では笑い話だけどね」とのこと。
普通に聞いていればただの笑い話だが、もしかしたら私もアントニエッタさんとまったく同じ状況になることだってあり得る。初回の実技のことを考えると今から心臓がドキドキしてきた!!・・・・・・でもまずは口頭試験をクリアしないと、ふぅー。
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アキ・ダモーレ
主婦・グラフィックデザイナー
東京出身。1991年よりイタリア在住。ナポリをこよなく愛し、人口4万のナポリ郊外の町に、ナポレターノの夫とハーフの息子と共に暮らす。イタリア生活紹介サイト「io」はほぼ毎日更新!
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