| 交通規則や新しい単語の暗記に四苦八苦しながら教習所通いを続ける中、ある日、いかにもナポリらしい事件が発生した。教習所に着くとペッピーノ氏は電話中だったので、教室に入って待つことに。教室には他にも受講者が数名。電話はいつまでたっても終わらない。皆がイライラし始めた時、ドアが開いてペッピーノ氏が入ってきた。「今日は休講!」 |
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| 盗難防止アラーム設置は常識だが、その他にも盗難防止グッズがいろいろある。こちらはアクセルとブレーキペダルを固定するもの。 |
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ペッピーノ氏の息子さんは実技の教官をしているが、新しく教習車にする予定の車に乗ろうとしたところ、通行人にピストルを突きつけられ、そのまま強奪されてしまったのだ。「だから私も警察に行かなくてはならないのです。申し訳ないが、今日はお休みです!」とペッピーノ氏は急いで出かけていった。
強奪事件は、ナポリでは四六時中起こっていることだ。車を止めさせ、ピストルを突きつけて「命が惜しいなら、今すぐ車から降りろ!」と脅される。抵抗したために足や腕に発砲され、不随になってしまったケースが数え切れないほど報告されているし、不随ならまだしも命を失った被害者も多い。それを知っているから、こういう状況に遭ったら、大人しく渡してしまうしかないのだ。
私の甥も昨年、バイクの強奪に遭った。最新の人気車を手に入れ、早速近所を転がしていた初日に盗られてしまった。犯人2人は常習犯で、単なる脅しではなく、抵抗されたらお構いなくピストル発砲をするプロなので、大人しく渡して良かったと、発砲の現場を見たことのある知人に言われたそうだ。「盗まれるような二輪にはもう絶対に乗らない!」と、甥はそれまで乗っていた中古のスクーターに戻ることに。他にも被害に遭った人に聞くと、ターゲットになるのは、車でもバイクでも人気のある新車だ。ボロ車を奪ったところで金にはならない、どうせ盗むなら高く売れるもの……と、プロ達は限定しているのだろう。
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| ピストル強奪も多いが、もっと多いのは駐車中の車を盗むケースだ。私の叔母は2回も盗まれてしまった経験があり、3台目の車は諦めてしまった。盗難事件があまりにも多く、保険もよほど高額にしないと適応されないので、イタリア、特にナポリなど治安の悪い所では新車を持つのはそれなりの覚悟と厳重なガードが必要だ。 |
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| これはハンドルにケースをつけて動かなくしてしまうもの。大きな鍵が重々しい! |
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| 「そんなコワイ所でよく運転する気になるわね!」と日本の友人に驚かれることもあるが、私は全然気にしていない。ナポリに移住した時に、ブランド品や金製品を持つのをスッパリ止めた。主人が同伴する時は高価な物も身につけるが、一人歩きの時はゼロ。盗まれるものを持っていなければターゲットになることはなく、治安ワーストワンのナポリで、この13年間、1度もコワイ目に遭ったことがないのである。車だって同じこと……車は脚代わりと割り切ってボロに乗っていれば盗難に遭う心配もない!教習車の強奪事件を知って『やっぱり車はボロに限る!』と再び確信した私であった。 |
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