|
運転免許を取るには、まず学科の試験に合格しなければならない。その後に実技が始ま
るので、それまではジックリお勉強タイム! 教習所では30近くのレッスンを受ける。1日にいくつかの授業を受け、素早く試験に臨んでいく生徒も多いが、私には息子が保育園に行っている間しか自由な時間がないので、午前中のクラスだけを受講することになった。小さい学校で午前中はたった1レッスンしかないので、1ヶ月以上かかるのんびりペースだ。 |
 |
 |
 |
| パソコンやパネルを使っての授業風景。午後や夜の授業は教室が埋まるが、午前中はご覧の通りの少人数。 |
 |
午前中のクラスは多いときで6〜7名、平均3〜4名程度と受講者が少ないから、ゆったり学習できる。大きな町の教習所だと外国人クラスというのがあるらしいが、ナポリ市外の人口4万の町にそんなクラスを望む方が間違い。私のクラスもナポリ方言がバンバン飛び出すローカルな雰囲気だ。授業中でも平気で携帯に出たり、煙草を吸いに途中退室したりと、いたってのどか。先生も受付から呼ばれれば、さっさと出て行ってしまうし、授業中に「モッツァレッラのお届けです〜!」と配達員が入ってきたこともあった。なんと先生宅の食料宅配だったのだ。こんなノンキな雰囲気で授業が行われるので、私もすっかりのほほんとしてしまった。 |
 |
 |
 |
| イタリア人は授業の前に前回習ったことの復習テストをする。間違えたところは個別に先生が指導してくれる。 |
 |
が、『ノンキ、のほほん』では学科試験に合格できないのだ!毎日の授業は楽しいけれど、習ったことはキチンと覚えないといけない!外国人は口頭試験でOKなのだが、先生にお試しテストをしてもらったら、半分も答えることができなかった。オオ、マドーンナ!楽しい雰囲気からいきなり現実に戻った私。高校生の時に『こんないっぱい覚えないといけないのなら、原付免許取るのやめる!』と即決したほど暗記が苦手だったのだ。しかも私はもう高校生ではなく、今年の初夏に40歳になるシニョーラ……食欲と体力はティーンエイジャーの時よりもあると自負しているが、記憶力は年々低下していっているのをしみじみと感じている。 |
 |
| イタリア語で学習というのもネックになっている。イタリア滞在13年なので日常生活に困ることはないが、運転用語には今まで一度も使ったことのない単語が山のようにある。何しろハンドルというイタリア語さえ知らなかったわけだし、車の部品できちんとイタリア語で言えるのは、まだ数えるほどしかない。それにテストでは一般的な言葉も、『人』は『歩行者』、『車』は『乗用車』、『トラック』は『大型運搬車』となるので、新しく覚え直さないとならないこともあったりで、知らない単語の山に埋もれ圧倒されるばかりの日々だ。 |
 |
 |
 |
| 教科書に、右はイタリア人の受けるテストのコピー。私も勉強のためにやっているが引っかけ問題も多く、30問で7つ不正解という散々な結果になったりする。 |
 |
何度かお試し口答試験をやってみたが、私の成績があまりに悪いので、ペッピーノ氏は『口頭試験用覚え書き』を作ってくれた。教科書よりももっと簡潔に各事項を説明したものだ。しかし、そこにも覚えなくてはならない単語が山のようにある……。「こんな調子で大丈夫かしら?」と言う私に、ペッピーノ氏は「平気、平気」といつものように答えたが、その言葉のトーンは以前とは違って、格段に低くなっている。でも私はへこたれない!1回くらいの不合格は仕方ない!亀さんペースで毎日少しずつ勉強&暗記して、いつか必ず免許を取得してみせる!「免許を発行する団体は?」「モトリッザツィオーネ・チビーレ!」……あ、舌噛みそう。 |
| |
|
|
 |
 |
 |
 |
アキ・ダモーレ
主婦・グラフィックデザイナー
東京出身。1991年よりイタリア在住。ナポリをこよなく愛し、人口4万のナポリ郊外の町に、ナポレターノの夫とハーフの息子と共に暮らす。イタリア生活紹介サイト「io」はほぼ毎日更新!
|
|
|