L'angolo di Matteo L'angolo di Matteo
Vol.03 イタリア映画祭2005
 Ciao!お久しぶりです。しばらくアップデートできなくてごめんなさい。最近とても忙しくて時間がなかったのです。
このゴールデンウィークは日本にいました。でもバカンスではなく、お仕事です。今回は有楽町朝日ホールで開かれていたイタリア映画祭で映画のPRをしていました。

 みなさんは映画祭に行きましたか?僕は全部の作品を見ましたよ。どれも面白かったし、やっぱりイタリア映画はその時代のイタリアそのものを映し出していると改めて思いました。
 全部で10作品(その他アンコール上映が2作品)が上映されたのですが、その中から1本の映画を紹介します。映画のタイトルは『Gente di Roma (ローマの人々)』。『特別な一日』のエットレ・スコラ監督の新作です。この映画を選んだ理由は、まずこれがMaestro(巨匠)の撮った作品だから。それからMatteoはローマ人だからです。

  この映画はローマのある1日を追うドキュメンタリードラマで、たくさんの人物とたくさんのシーンが登場します。バラバラにも見えるシーンをつないでいるもの(専門用語ではイタリア語でConduttoreといいます)は1台のオレンジ色のバス。このバスの動きを朝から深夜まで追っていくことによって、バスの利用者やバス停の周りにいる人の様子を見せていきます。この人たちは普通のローマ人。つまりそこに普段のローマの生活があるのです。

 イタリア映画の世界には「ローマ映画の伝統」というものがあります。パゾリーニのローマ『Mamma Roma』(1962)、フェリーニのローマ『Roma』(1972)…。そしてその30年後にイタリアのMaestroがローマを撮ったのがこの作品です。ただしこの映画ではコロッセオやテルミニ駅といった象徴的な建物などを通してではなく、一般の人を通してローマを映し出しています。そこが素晴らしいね。
 
 ではローマ人とはどんな人たちでしょう?みなさんはローマ人に対してどんなイメージを持っていますか?善良で、優しくて、あまり未来に期待を持ってはいないけど、毎日明るく暮らしている…。
 この映画の中のある夫婦の朝のシーンを例に挙げましょう。妻は朝ごはんを用意して、夫はいつも通りバスに乗って仕事に行きます。でもその先には職場なんてない。彼は失業したことを妻に言えないのです。だから何事もなかったようにいつも通り朝ごはんを食べ、バスに乗り、家を後にする。このシーンにはとてもローマ人らしさが表わされていると僕は思いました。いつまでも隠し通せないのになかなか言い出せない、だけと男のメンツもある。ローマ人としてとてもよく解ります。彼もとても困っているのだけれど、なんとかなるさと思っているはずです。

 ある意味でとてもロマンチックな映画だと言えます。パゾリーニ、フェリーニ、スコラのこれら3本の映画を見れば本当のローマが見えてきます。映画の中にはステレオタイプな“いわゆるローマ”が全部出されています。でもそれが現実を全部映し出している。そのあたりはさすがMaestro。ローマに興味のある人は必見です。

 みなさんいつも「L’angolo di Matteo」を楽しみにしてくれてありがとう。もっと頻繁にアップデートできるようにがんばるね。みなさんも何か知りたいことがあったらe-mailを下さい。待ってます。ではalla prossima volta, Ciao!

マッテオ

※イタリア映画祭2005(5月4日終了)上映作品ラインナップについてはこちら
 
プロフィール
ナポリ東洋大学政治学部で日本や中国の政治経済を学び、日本に興味を持つ。足利義満を敬愛し、ヨシミツと名乗る日本通。2004年12月よりイタリア国営放送Raiの海外部門Rai Trade日本代表。ローマ在住。猫が好き。
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Vol.1 イタリアのバラエティー番組事情
Vol.2 サンレモ音楽祭
Vol.3 イタリア映画祭2005
Vol.4 イタリア人のバカンス事情
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