イタリア人入門
第2弾 ベリタリア イタリア語学・文化学校校長、パトリツィア・チヴィティッロさん 「“たまたま”は陽だまりの特典」
表参道のファッションエリアを一歩中に入ったところにあるベリタリア イタリア語・文化教室。その入り口は可愛らしいイタリアンレストランなのではと目を疑わせた。ドアを開けると奥に長い黒髪のイタリア人らしい女性。ほがらかな笑みを浮かべて迎えてくれたその女性が、校長先生のパトリツィア・チヴィティッロさんだった。

なんなのだろう、この感覚。初めて会った人だというのに、終始すっかり安心しきってインタビューが終わっていた。すべてをすっぽりと包み込むようなおだやかな口調。イタリアのお家で“マンマ”にもてなされたような心地よさが残っていた。ここまで大きくなった語学・文化教室の校長先生という立場にありながら、仕事における、“校長先生、パトリツィアさん”という気負った様子はなく、(仕事場を見たわけではないが、おそらく)あくまでも自然体。

パトリツィアさんの“今”に至る経緯を聞いてみると、“後先考えずに、その時やりたいことをやる”そして後はすべて“たまたま”の繰り返し。この“たまたま”が人生のキーワードかのように何度も彼女の口から飛び出した。そもそも彼女が日本に来たのは、ナポリ東洋大学で日本文学を専攻したことがきっかけ。けれども当時のイタリアでは、日本文学(日本)はとてもマイナーな存在だったという。それなのに日本文学を専攻することにした彼女の心境は「ただ、未知の世界を知ってみたかった」。それから日本での3ヶ月の語学留学を経て、“たまたま”NHKイタリア語講座の講師として招かれ、“たまたま”知り合った人たちのおかげで、現在のベリタリアの校長先生という素敵な仕事に出会い、結果としてもう16年も日本に滞在しているという。もちろん、日本語を専攻した当初はこんなことになると予定していたわけではない。言葉もままならないまま日本という離れ小島に訪れて、友達にも恵まれ、仕事にも恵まれ、なんという“ラッキーウーマン”なんだ。

彼女がラッキーである一番の秘訣を私はその“おおらかさ”にあると思った。緻密に計画を立てて成功する人もいるけれど、彼女の場合、そうではない。計画性という神器の代わりに、彼女には人を惹きつけてやまない陽だまりのようなオーラがある。暖かいところや心地の良いところに自然と集まってくる野生動物がいるように、彼女のところには自然と人が集まってくるのだ。インタビューが終わった後、私もこの学校に通いたくなっていた。学校についてのPRなんて何もされていないのに。
ベリタリア イタリア語・文化教室については詳しくはこちら↓
http://www.love-italy.net/bellitalia/contents.html

バックナンバー
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プロフィール
岩波えり子
「日本人は電車の中でだれも話しかけてくれない」という、あるイタリア人の言葉が印象に残る。
イタリアの電車の中っていったい?澄みきった青い空、おおらかな人々、おいしい料理に漠然と憧れるイタリア関連超素人。
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