La Settimana Italiana 政治・経済
社会・文化
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社会・文化[2003/06/25]
■ イタリアへの逃避行とイタリア難民状況


 イタリアでは、難民の問題が深刻だ。ヨーロッパ・ドリームを目指してイタリアに流れ着く難民が後を断たないのである。

 
昨年難民救済所に保護された人数は約10,000人。亡命申請を行なったのは7,281名。しかし受理されるのは一握りに満たない。1999年にはコソヴォ戦争の影響もあり難民総数は33,000人を記録した。その頃に比べれば確かに減少の傾向にあるとはいえ、年間10,000人の身元不明者が入国するというのは驚くべき数値である。現在の法律では、難民は入国してから約45日間は難民救済所で生活し、その間に身分証明が行われ、本国に強制送還となるのであるが、大半はパスポート等持っておらず国籍を判断することができない。こうした人々は、体が休まると難民救済所を抜け出し、仕事探しの放浪の旅に出てしまうのだ。

 ヨーロッパ外相会議や首脳会議で「難民受入の取り締まりをもっと厳しく」と各方面から言われているイタリアであるが、船で近くまでやってきて、救命ボートに乗って命カラガラ、陸地を目指してやってくる人たちに援助船を出さないわけにもいかない。それでも陸地に辿り着くまでに溺れてしまう人、出国してからイタリア近くにくるまでに衰弱してしまう人、と死亡者は後を断たないとのこと。今回もイタリアを目指して、悲劇は起こった。

 19日の午後6時、イタリアの海上警備隊が、チュニジアから約270Kmのところに、約300人弱を乗せた難破寸前の船を発見。早速、救助隊の出動となった。しかし、救助活動が2日に渡るも、波が高く、船の状態も非常に悪かったために、女性13名、子供7名を含む41名が無事に救助されるにとどまった。遺体として現在まで発見されたのは12名である。残りは行方不明で、死亡者はまだ増えるに違いない。今回、救助されたハメッドさん25歳は「僕はこの逃避行がどれくらい危険で大変であるかは良く分かっていた。それでも少しずつお金をためて約1,000ドルとなったとき人生の決断を下したのだ。僕たちはテレビでイタリアの国営放送1番をみることができる。この海の向こうには沢山の食べ物や豊かな生活がある。それを見るたびに、どうして僕は手にいれられないのか、と。僕の町にもイタリアに渡った人は何人もいる。泳ぎが得意でなかったため死んでしまった人も大勢いるが、それでもイタリアに辿り着いた人たちの中には、大金持ちとは言わないまでもイタリアで貯めたお金で帰ってきてから店を開いたりしている人もいる。どうして僕にそのチャンスがないと言えるだろうか」と語る。

 難民救済所関係者は「一日も早く国家レベルで、この危険な逃避行がなくなるように相手国に要求して欲しい。また、漂着した人を援助すると言う消極的なものだけではなく、相手国に赴いて逃避しなくとも済むような生活援助をすることが大切だ。外交、政治に力を尽くしてほしい」とコメントしている。
 

記事:山田裕美
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